設立趣意書

設立趣意書

生活水準の向上や医学の進歩などにより平均寿命は年々延び、人類の平和と福利厚生に大いに寄与していることは真に喜ばしいことです。しかし、人間の生命に関する自然科学分野ではまだまだ未解決の問題が多く残っています。

このため、生命に関する自然科学の基礎研究、とくに先端技術分野における一層の学術振興が望まれるところです。また、これは全人類、全世界的な要請であり問題でもあるため、国際的な学術研究会や緊密な交流がより一層必要となってきております。

この生命に関する自然科学の基礎研究は、長期間にわたるものが多く、また多額の研究資金を要しますが、こうした役割の主な担い手である大学や研究機関では財政的な制約もあって不便を生じているのが現状です。また、これらの研究に対する民間の助成も必ずしも充分とは申せません。

このような実状に鑑み全国的な視野にたって、特に人類の疾病の予防と治療に関する学術研究の助成を行い、その振興を図るため興和グル-プが社業収益の一部を社会に還元してここに興和生命科学振興財団を設立することとした次第です。

当財団の活動を通じ学術研究の発展、ひいてはいささかなりとも人類の幸せと福祉の向上に貢献できれば、喜びとするところであります。

昭和62年2月14日